歪率について、「検知限は3%」、「二次歪は柔らかく温かみがあり、三次歪は固く冷たい」等々多くのことが語られています。音質を追求する上で、歪について確認するために歪発生器を製作し試聴を行ったので紹介します。歪発生器を用いて、試聴を繰り返した結果、3%の歪みを付加しても、言われているほど歪が聴感に及ぼす影響は大きくありませんでした。ただし、増幅器などの電子回路機器では、出来栄えを判断するには役に立つと言えます。元来、歪率特性に限らず周波数特性やクロストーク等のスペックは、電子回路工業製品の開発・生産時の出来栄えを判断・管理するもので、聴感を論ずるためのものではありません。 |
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電子回路において、歪は非線形系によって発生します。例えば1kHzの信号を入力した際に、二次歪では2kHz成分、三次歪では3kHz成分を発生します。 高校時代に習った三角関数の公式では、 二倍角: |
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三倍角: |
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となります。 この公式をグラフ作成アプリを使い確認します。青線:sinx、赤線:二倍角、緑線:三倍角 |
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この公式と同じことが、電子回路の非線形系の中で起きています。この現象を電子回路で実現するには掛け算を行う素子で可能です。 アナログでバイセスにAD633というアナログ乗算器がありました。 |
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