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<復刻版>最近のFMチューナー 01

デジタル技術の進歩で入門クラスのFMチューナーはIC 1個と数点の部品で構成できるようになりました。日本オーディオ協会が会員向けに発刊していますJAS journal 1986年4月号に寄稿しました「最近のFMチューナー」から当時を振り返ってみます。

ふた昔前の技術です。当時デジタル処理で受信機が構築できる理論は存在しましたが対応できる半導体素子はありませんでした。半導体の進歩で実現可能となりました。デジタル化して処理する際もFMの振る舞いは変わりませんので注意する点は同じです。

<復刻版>最近のFMチューナー

 

1. 最近のFM放送について

第4次チャンネルプランで割り当てられた新FM民放局がon airを開始し、現在21局が開局しました。地域によっては、2〜3局の民放局が受信可能になったところも有ります。

新しく開局した局は設備も最新ですので、放送のクォリティーが一段と向上しています。既存放送局も、新社屋へ移転の際に設備を更新したり、新ホールを造ったりし、クォリティー向上を行っています。これら最新設備の局からon airされるライブ番組では、コンパクトディスク等の既存のソースでは聴くことの出来ない新鮮な臨場感、演奏者の緊張感が送られていることをご存知の方は少ないと思います。残念ながら放送時間の大半はクォリティーの低い番組ですから・・・。

さらには、都市部においては高層ビルの影響で何らかのマルチパス妨害が発生しており、少なからずクォリ

Fig1

ティーの低下が発生しています。このマルチパス妨害の除去を受信機側で行おうとすると、理論的にも非常に複雑な処理を必要とし、実用的な解決は不可能に近いのが現状です。現在使われている水平偏波による送信を円偏波に変えることにより、マルチパス妨害の発生する確率を下げることが可能となりますので、ぜひ放送局で採用して欲しいと思います。

2. 最近のFMチューナー市場の動向

新放送局が開局しているにも関わらず、FMチューナー市場は減少しています。これにともない各社の開発スピードも落ち、一時に比べると新製品の発表は半分以下となり、従って新技術の発表も少なく寂しいかぎりです。しかし海外雑誌眼を移すと、日本国内では発売されていないコンピューターコントロールされた、かなりの力作ともいえるチューナーをいくつか見ることが出来ます。ぜひ日本国内でも発売して欲しいものです。

3. 最近のFNチューナー技術の動向

古い話になりますが、FMチューナー用システムICが開発された約10年程前ですが、それまでトランジスターやダイオード等60個以上で作られていたFMチューナーが、わずかにフロントエンドパック1個と3個のICと数個のトランジスターとダイオードで作れる様になり、性能も格段に良くなったときがあります。そのときFMチューナーは、どの製品も同じ様な性能と同じ様な音質だったように記憶しています。その後、各社技術開発を行い、カスタムICを開発し、それぞれ各社の性能、音質を競いました。しかし、エアバリコンが生産中止になり、デジタルシンセサイザー化されたとき、デジタルシンセサイザーシステムが性能、音質に影響を与え再び同じ様な性能、音質になりかかったのが、つい2〜3年前です。しかし、市場の動向で述べたように開発スピードが落ちているので、なかなかデジタルシンセサイザーシステムの改良が行われずにいました。

では、デジタルシンセサイザーシステムの中に組み入れられているフロントエンドから順に、各ブロックごとに最近のFMチューナーの技術を見て行きます。

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