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<復刻版>最近のFMチューナー 05

これを改良した方法に「FM負帰還」方式があります。しかしオーディオ帯域の信号で100MHz近い周波数に帰還をかけるので、低いオーディオ周波数でしか帰還がかけられず、その量も6dB程度が限界です。

Fig13

ここでフィルターにより発生する歪みの原因を調べてみますと、次の式で表せます。FM変調成分をS(例えば1kHzのオーディオ信号)とすれば、フィルターを通過しFM復調されたSは、

S=[基本波(f)]+K2*2f+k3*3f+・・・+Kn*nf+L2*2f+L3*3f+・・・+Ln*nf

となります。

係数K2, K3・・・, Knは基本波fに対し90°位相となり、fの成分が含まれ、係数L2, L3・・・, Lnは基本波fに対し同相となりf二乗の成分が含まれています。

これらのK、Lで表される歪み成分のKは、主にフィルターの位相特性により決定され、MONO変調時の歪みとなり、Lは主にフィルターの振幅特性により決定され、ST変調時の歪みとなります。そこでこれらと同じ歪みを発生させて逆相で加えれば、歪みを少なくすることが可能なことが分かります。また、これらの歪みはフィルターの特性により発生するもので、入力信号に追従するものではないので、安定に動作します。

図14に示す4次歪みまでの歪み補正回路「DCC」を順次動作させると、写真1のように、歪みが補正されて行く様子を見ることが出来ます。写真4、6、9での歪み率は現在の測定限界です。。

Fig14
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