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タイミングを司る意外の情報と言いましたが、周波数について考えてみます。周波数で大切な項目に安定度があります。良く議論の対象になるのが周波数精度です。44.1kHzで記録されたCDを再生するには同じ44.1kHzが必要です。しかし、記録側と再生側の44.1kHzは無相関ですので双方の精度が必要です。しかし、精度が高い=高音質とは言い切れません。長い時間で見れば精度の高い44.1kHzでも、平均値が44.1kHzですが、常に44.0999kHzから44.1001kHzの間をふらふらしている場合があります。FM放送を考えてください。82.5MHzと言う周波数が割り当てられている放送局では82.5MHz±200kHzの中で番組を送信しています。長い時間周波数を観測すれば精度の高い82.5MHzで放送しています。しかし、番組の中の一瞬で捉えれば±200kHzのどこかの周波数で放送していることになります。 もう一つの安定度は純度です。純度が高いと言うことは常に44.1kHzだけの成分と言うことになります。純度が高い=高音質の条件と言えます。AM放送を考えてみてください。電波の強度は番組により常に変化していますが使っている周波数は例えば594kHzのように常に一定です。 別の言い方をすると、「精度が高い」は「長期安定度が高い」、「純度が高い」は「短期安定度が高い」となります。 一般的にクロックには水晶振動子が使われます。水晶振動子は素子の厚み滑り運動により周波数を得ます。機械加工によりMHz代の周波数を得ることが出来ます。機械加工には精度がつきもので、周波数の精度を要求することは機械精度を高めることになります。また、水晶の特性で温度により周波数が変化することになり、周波数精度には限界があります。しかし発振のQが大変高く、適切なコストで純度の高い周波数を得ることが出来ます。 最近、ルビジウム発振機が注目されています。Rb原子の性質を利用した大変に高い周波数精度が特徴です。長期安定度は優れますが短期安定度では水晶発振器には及びません。なぜならRb原子から得られる周波数は6.8GHzと非常に高くそのままでは使えません。また、原子の性質から周波数を得るためには、6.8GHzに近い励振のための周波数が必要でかつRb原子から得られた周波数に一致させるために可変できる発振器が必要です。このために印可電圧で周波数を変化させられるVCXOと呼ばれる4.9MHz代の水晶発振器を用い14倍して6.8MHz付近の周波数を得ます。周波数を可変するために一般の水晶振動子よりQを低くします。Qが低いと言うことは純度の高い周波数から遠ざかります。またRb原子から得られる周波数に追従させるための制御回路はゆっくりした周波数の動きには着いていけません。さらに所定のMHz帯の周波数を得るためにはもう一つVCXOを用いたPLLを使います。このPLLもゆっくりした動きには応答できません。Rb発振器から得られる所定の周波数は、水晶よりも高い精度を得られますが、可変できる水晶発振器を二つ以上用いた結果なので、純度は単純な水晶発振器より劣ります。 プロの録音編集では、複数の編集機を用いますので、すべての機器は一つの高精度のクロックが必要となりRb発振機が必要となります。一般的に信号を作る側と再生する側では、復調側の方が干渉を受け易い傾向がありますので、高精度ですがジッター弱い性質のRb発信機でも問題は少ないと思われます。しかし、自宅で音楽を聴く環境では、一つのソースを一つの機器で再生します。もしクロックの周波数精度が100ppmずれていたとしても再生される音楽のピッチが0.01%録音時と違うだけで、ピッチが違うことで音楽の印象が変わることはありません。再生側はクロックとデータが入り交じった信号処理しますので、録音側よりジッターの影響を受けやすいので、精度は劣りますが純度の高いクロックが得られる水晶発振が良いと考えます。 |
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