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KT-1000リニューアル 01

kt1000
item4

http://audio-heritage.jp/TRIO-KENWOOD/tuner/kt-1000.htmlより

時報等で歪んで聴こえるというKT-1000を預かりました。KT-1000は、KT-80の次に担当した思い出深い機種で、1982年に発売されました。シリアルナンバーは1030番台で初回ロット生産分です。この機種は、KT-1100に搭載したサンプリングホールドMPXのICを搭載する計画で開発をスタートしました。しかし、不幸にもICは予定の性能に達せず、作り直しとなりましたが、設計日程は変わりませんでした。このため汎用CMOS IC、一般的なMPX ICとOP AMPで回路を作成することになりました。設計期間の殆どは性能を確実にすることに費やされ、各種スイッチを操作した時に発生するポップノイズ対策は後手に回り、生産が始まってからの改修となり、生産性が著しく低下し関係部署に迷惑を掛けるという貴重な経験を積みました。

30年以上経過しており、さすがに調整がズレていました。パルスカウント検波器は無調整ですが、Tメーター、AFCを含む同調制御は、クオードラチャー検波器で行います。このコイルが100kHzほどズレており、セラミックIFフィルターの中心をFM波が通過しておらず歪みを発生していました。クォードラチャー検波器のコイルを再調し歪みの問題は解決しました。コイルのコア位置は調整範囲内に収まっています。

歪み、セパレーション、パイロットキャンセラー、SCAキャンセラー等を再調整し当初の性能を確認できました。この個体の置かれていた環境は良好のようで、フロントエンドの局部発振回路に使われているトリマーの腐食は見られませんでした。また、改修により追加された部品の取り付けも経年による不具合はありませんでした。

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