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LPFと群遅延01

デジタルとアナログで聴こえ方が違う理由の一つは、デジタル再生で欠かせないLPF(Low Pass Filter)が考えられます。帯域を制限すると振幅特性だけでなく位相特性も変化します。位相特性でLPFを評価するのは難しいですが、位相差を角周波数で微分した群遅延特性で見ると直感的です。周波数が変化して振幅が減衰してもLPFの通過時間は一定であるべきですが、広域になるに従い遅れ時間が減少する現象が起きます。自然界では、温度により変わりますが音速は周波数が変化しても一定で距離により遅れ時間が決まります。LPFにより遅れ時間が周波数で変化が起きるのは電子回路が起こす不自然な現象で、ごく僅かでも聴感は敏感に違和感を覚えます。

例えばアナログLPで再生するシンバルの音は質量のある金属板を固いスティックで力強く打っていて打点の位置を感じ実在感がありますが、デジタル再生(CD)では質量があるのかないのか良くわからない金属の何かからシャンシャンと実在感の感じられない音が聞こえると感じた経験はありませんか?

アナログ系では、故意に高域を制限する必要はありませんが、デジタル系ではサンプリングによる折り返し雑音を低減させるため高域を制限する必要があります。最近は、この影響を避けるためサンプリング周波数を高めたハイレゾが注目されています。これまで膨大なアルバムが存在するCDでも、群遅延特性を考慮したLPFを用いれば、まだまだ音質改善の余地が残っています。

LPFが影響を及ぼすCDプレーヤーの性能は周波数特性です。20kHzの周波数特性が±0.2dB以内が良い性能とされています。20kHzの周波数特性を重視したLPFの設計が主流です。また、周波数特性は簡単に測定できますが、群遅延特性はコンピュータを駆使する測定器が必要で演算精度によりますが、誤差が多く参考データー程度の結果しか得られないことも要因です。しかし、回路シミュレータ上では、精度の高い結果が得られます。OP AMPを主体とした回路の振幅と位相特性は、実機とシミュレーションが一致しますので、群遅延特性も信頼できる結果が得られると考えます。

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