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ステレオ復調技術 06

サンプリングホールドMPXというものも存在しました。先に述べたように38kHzで変調された波形の頂点にオーディオ成分が存在することから、頂点を取り込み次の頂点が来るまでホールドさせ階段状の波形を得る方法です。図8に動作を示します。上段は復調前のL信号のみのコンポジット信号(パイロット信号は省略)、二段目はサンプリングパルス、三段目はLの出力、四段目はRの出力です。理論上は無限大のセパレーションを得ることが可能で、方形波復調器の原理的に13dBのセパレーションを打ち消しで改善するより理にかなった方式です。また、各々の波高値の最大もしくは最小を取り込んでいますのでS/Nが優れているという特徴もあり、スルーレートの優れたアンプをサンプリングホールドの受けに採用すれば、低歪率の優れた性能が得られます。

しかし、方形波を用いたステレオ復調器でも述べました隣接局の干渉や妨害電波やマルチパス歪などにより53kHzより高い周波数成分が問題となります。方形波の場合、奇数次高調波に被った成分が可聴帯域に変換され雑音となります。パルスのように非対称の波形ですと、奇数次だけでなく偶数次の高調波も存在します。図9に示すように妨害に弱くなります。38kHzの二倍は76kHzです。日本では使われていませんがUSAではSCAと呼ばれる多重成分が67kHzに存在し、9kHzのバーデーノイズを発生します。

Fig8
Fig9
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