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AA-3 制作
AA-2は、TLB4を搭載しています。さらに音質改善を目指し、Bi-AMPを構成するためにAA-3の制作を行いました。AA-2までは、外付けセレクタ付きボリュームを使用しているが、使い勝手の改善を盛り込みAA-3は、セレクタに加え、Bi-AMP用にVR outを装備させました。
構造はAA-2と同様、タカチ電機工業HY133-28-23SSとHYC-23-28です。セレクタは、4接点3回路の手持ちのアルプス電気SRRN1343です。電源は、HWS150A-24を2台で±24Vです。電源スイッチは、保護フューズ不要の日幸電機製作所のサーキットプロテクタIPB-1(3A)です。アンプを使用するにあたり、電源ON/OFFの際、動作が安定するまでDCが出力され、ポップノイズとなり、スピーカーの劣化を招きますのでスローアタック・クイックリリースのリレーが不可欠です。AA-1は、LM3886は各種保護回路が内蔵されており電源ON/OFFのみでしたが、今回はDC検出(Q6,Q7)を追加し、中点が±0.6Vを超えると出力を遮断します。20Hz最大出力で誤動作することはありません。
メインボリュームは入手が容易で定評のあるアルプス電気RK271 100kΩ(A)です。ボリュームの負荷が重くなりAカーブからの逸脱が大きくなりますが、Bi—AMP用の出力を設けます。ステレオ再生でバランスは備えるべきですが、専用のボリュームは手に入らなくなりました。そこでRK271から単連100kΩ(B)で、音量の大きいほうのチャンネルを下げるAA-1と同じトリム形式とします。
スイッチング電源から給電でTLB AMP3との間にLCフィルタを設けますが、僅か0.15uHのインダクタで、カットオフ周波数は1MHz以上で、スイッチング雑音での効果を狙ったものではなく、ショットキーダイオードの音色を整えます。大電流高耐圧品が供給されると、従来ダイオードより高音質と評価されましたが、最近は見かけなくなりました。トランス電源で試作しました。従来品よりエネルギー密度の高い音が得られますが、高域に向かいエネルギー密度が上がり、高域強調の帯域バランスになりました。高域に向かいエネルギー密度が上がる傾向をはインダクタで抑えることを見つけました。インダクタンスを増やせば高域はおとなしくなります。カットアンドトライ2-1/2T程度でショットキーの長短のバランスになりました。スイッチング電源は周波数が高いのショットキーが不可欠ですが、トランス電源と同じ傾向を持ちますので、インダクタで補正します。
これらの回路図は、KiCADで描き、レイアウトしインクジェットフィルムに出力します。感光基板NZ-P10Kに焼き付けエッチングする自作です。
総回路図です。電源・GND・出力は、AWG18で、正負電源・L/R線材の長さは同じにしていますので、余っている配線があります。信号系シールド線も同様です。入力端子からセレクタまではシールド編組を入力端子側で設置します。セレクタからVR基板、TLB AMP3は、VR out出力端子でシールド編組を設置し、入力端子が4系統あることでのアースループを回避します。入力に不要な高周波を阻止するために100pFで終端します。また端子からの静電気ショックを低減するために100Ωを入れます。これらの素子は2-0-2ラグ板に組みます。