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低域遮断周波数 1

オーディオ回路の悩ましい問題は低域の再生です。数多くの試みが行われています。その中にDCアンプがあります。DCアンプが話題となったのは80年代で、ソースの主流はLPの時代で、せっかくのDCアンプですが、ウーファーがユサユサ揺れ、サブソニックフィルターが使われ、折角の伸びた低域を聞かれることもなく使われなくなりました。

以前使っていたKAF-3030Rのパワーアンプは、L-06MなどでDCアンプとして使われていた回路で、DCオフセット調整は出来ませんが、帰還接地コンデンサをショートして聴いてみました。明らかにACアンプより優位性を感じました。

オーディオ回路の低域はどこまで必要かを見直しました。
可聴帯域は20Hzからなので、周波数特性は±0dBであるべきとか、余裕を見て2Hzまで伸ばすべき等の意見があります。

低域は周期が長く誤差が出やすく、20Hz以下の測定は困難です。過度応答に着目し、シミュレーション低域特性を確認しました。

結果、低域遮断周波数(カットオフ)は、0.2Hz以下に設定することでDCアンプと同等の特性が得られます。

この回路のカットオフ周波数は、fc = 1 / (2π X C1 X R1) = 1.54Hz となり、20Hzに対し余裕があるように見えます。周波数特性を確認します。


上段は振幅特性で、20HzはkHzに対し0.0256dB下がりますが、平坦で満足できます。下段は、振幅と位相ににより起きる群遅延特性で、20Hzは1kHzに対し617mS遅れています

遅れが生じることにより、20Hzを入力した時、

    

1波目の山が-0.65dB減衰し、周期も12.5mSに対し。11.91mSになっています。山の周期は、23,904mSで周波数に換算すると20.917Hzです。
パワーアンプの入力や帰還回路でこの現象が起きると、ソースが低い周波数成分を送ってもスピーカーを正確に駆動できません。楽音(楽器)は、基音と倍音を持っています。基音の周波数が正しくないとハーモニーが乱され迫力がなくなります。
では、
C12,2uF, 4.7uF, 10uF, 22uF, 47uF, 100uFと変化させます。

22uF辺りから入力信号に重なってきます。この時の低域遮断周波数は0.154Hzです。ざっきりいうと、20Hzを再生するためには低域遮断周波数は0.2Hz以下に設定する必要があります。

ACアンプでは、帰還接地でも時定数を持ちます。26.99dB利得のACアンプです。接地時定数に注目し入力カップリングコンデンサは省略しています。

C1: 100uFの時の周波数特性は、C1R2により、0.723Hzで、目標の0.2Hzを超えています。C1470uFにすると、0.154Hzとなります。ただし、系が安定するまで6.5秒かかりますのでミュート時間の再設定が必要です。