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AQ-02制作 1

Trans Linear Bias AMPを作成し、従来BIASでは、得られない改善を見ました。Phono EQにも応用したらLPの音質も改善できるのでは興味が湧きました。増幅段をディスクリート差動三段構成することを目標にしました。古い録音に対応する各種のEQ Curveに対応することを考えました。RIAA, NAB, AES, Columbiaとffrrの5種類を切り替えることにしました。Phono EQ Curve参照。

・電圧増幅段

これまで、Trans Linear Biasの音質を手早く確認したかったので電圧増幅段にOP Ampを利用してきましたが、多くのOP Ampの出力段は通常Biasのコンプリメメンタリプッシュプル構成です。出力電流が少ないので影響も無視できるとしても、最終段にTLBを採用していますので電圧増幅段はプッシュプル動作を避けたいと考えました。オペアンプは100dB以上の開ループゲインがあります。ディスクリート構成でオペアンプ並みのゲインを狙います。差動2段増幅の製作記事を見かけますが多くは100dBに届きません。100dB以上を狙うには差動3段構成を考えます。以前のホームページでKAF-3030Rの音質改善を紹介しました。(廃番のため現在は取り下げています。)この機種の回路をひな型にしました。Lch回路図です。

EQ素子の一番下の段は動作確認用のフラットアンプ用NFです。このポジションでオープンループ特性は、

目標を上回る、120dBのゲインが得られました。0dBとなるのは、4.3MHz、位相-180度で-11dBと発振余裕があります。EQカーブにより高域の帰還が深いので、位相補償は大きくしています。J-FETの初段は、NFBの肝なので音質の良いシャントレギュレータによる定電圧回路を用います。三端子レギュレータに代表される直列型定電圧回路では、出力と回路電流の総和を一定にできないので音質が担保できません。TLBによる出力回路は、負荷インピーダンス2.2kΩ以上を想定し、出力段のIc定格を超えないアイドル電流4.5mとなるよう1mA定電流ダイオードにします。終段の電流変化を確認します。