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Round Frame 1

・Entry XL Jubilee

Atelier AUDILLUSIONの試聴用スピーカーは今井商事が扱っているドイツのALR Jordan社のEntry XLでしたが、現在はEntry XL Jubileeです。

日本で発売された時に話題になりました。この会社の技術担当は、カールハインツ・フィンク氏で何回か話をしたことがあります。最初に会ったのは、彼がドイツのオーディオ雑誌でスピーカーの評価記事を書いていました。その後、この会社に移り本格的に設計を開始しまた。彼の方向性はニュートラルで、素直な音で、アンプやソース機器の変化に対し素早く反応するので、評価に適しています。しかし、聞き込むにつれ、中高域でスピーカーの存在感が気になってきました。Entryと名付けられているように、購入しやす価格帯でエンクロージャーも生産性を重視した設計です。当時、中級品は押し並べてラウンドバッフルを採用していました。聴いて感じる違和感はツィターの端とバッフルの端の距離と音速による乱れではないかと思いました。そこで、ツィターとバッフル端面との距離でツィターの音波が乱れているのではないかと思い、高額スピーカーでよく使われるラウンドバッフルに近づけるようにしようと思いました。Webの木材店に二つ部材を頼み、木工ボンドで接着します。天板部で1本/台、左右で2本/台となります。

予想通り、いかにもスピーカーから音が出ていると感じた中高域が滑らかになり、スピーカーユニットからの音が空間にとけ込み、定位、音場、奥行き、開放感が向上しました。残念ながら普通の部屋で測定器も適当なものがなく、ざっと確認したところでは、4kHz、7kHzのピークが下がり平坦な特性に近づいたようです。この周波数は、聴感で感じた帯域とほぼ一致し、ツィーターからバッフル端面までの距離から推測できる周波数に一致します。ツィーターから真横に走る音波が端面で乱れ干渉を起こし、ツィーターの存在感が強調されていたと思われます。

木材を注文しましたが、こういった構造のスピーカーでしたら、まずは厚紙を加工しツィーターの真横に張り付け滑らかに後ろに流す実験をされ、効果を確認できたら、恒久的な方法を考えることをお勧めします。